8967日本ロジスティクスファンド投資法人の株価/分配金/財務指標の推移

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8967日本ロジスティクスファンド投資法人について

8967日本ロジスティクスファンド(JLF)は日本初となる物流施設特化型の投資法人として、2005年5月9日に東証へ上場しました。

スポンサーは三井物産株式会社、三井住友信託銀行株式会社、ケネディクス株式会社の3社。日本を代表する企業をスポンサーに擁することで、物流、金融、不動産の各分野におけるサポート受けれるのが強みと言えます。

2018年6月1日現在において、保有資産は46物件、取得価格合計は2,709億円。J-REITとしては中規模の投資法人です。今のところ物流施設特化型リートは7銘柄上場しており、当投資法人は7銘柄中3番目の規模となります。

物流施設特化型 上位4銘柄比較 2018年7月30日時点

銘柄 資産規模(億円) 物件数
3283 日本プロロジスリート投資法人 5,603 40
3281 GLP投資法人 5,246 68
8967 日本ロジスティクスファンド投資法人 2,709 46
3466 ラサールロジポート投資法人 1,884 11

ポートフォリオの構成を見ると、首都圏が80%を占め、湾岸部に物件が集中しています。
東京エリアの比重が高いのはオフィス特化型の投資法人と同様ですが、配送拠点として利便性の高い地区が選ばれるため、地区構成は微妙に違います。

当投資法人は、R&IからAAネガティブ、JCRからAA+ネガティブを取得しており、機関投資家の保有比率が高い銘柄でもあります。現時点で投資口数の約68%を金融機関が保有しており、個人投資家の保有比率は8.9%に留まります。

株価/分配金推移

株価推移

上場来の株価推移と東証REIT指数の比較グラフです。

両者を比較するため上場時の値を100として指数化しています。

8967の株価推移

東証REIT指数とパフォーマンス比較

期間 8967 東証REIT指数
上場来(2005/5~) +62.82% +12.51%
直近1年間 -5.12% +0.75%
直近3年間 -8.20% -2.30%
直近5年間 +24.31% +26.14%

上場来のパフォーマンスは市場平均を大きく上回ります。特に顕著なのは金融危機の際に株価の落ち込みが極めて浅かったこと。後述の分配金推移や業績推移を見ても、金融危機による低下は殆ど見られません。傑出した運用状況が高く評価されていたということでしょう。

その半面、直近5年のパフォーマンスは市場平均並みにとどまります。

分配金推移

当投資法人の第1期(2006年1月)~第25期(2018年1月)における、投資口一口当たりの分配金推移です。

なお当投資法人は2014年に投資口の分割を行っており、以下のデータは分割を考慮した値となっています。

8967の分配金推移

上記期間に於ける、一口当たり分配金の平均額は3,521.73円、最高額は2018年1月期の4,376円です。

分配金利回りの比較 2018年7月30日現在

銘柄 予想分配金利回り(%) 備考
8967 4.14
J-REIT全体平均 4.08

分配金の水準はほぼ市場平均並み。しかし分配金推移は右肩上がりの上昇となっています。直近5年程度なら珍しくありませんが、リーマンショックで分配金の落ち込みが無いのはある意味驚異的とも言えます。

長期運用されている投資法人の中でも屈指の分配金支払い実績だと思います。

財務指標等

業績推移

当法人の第1期(2006年1月)~第25期(2018年1月)における、営業収益と当期純利益の推移です。

8967の業績推移

第1期の営業収益は2,110百万円、第25期の営業収益は8,857百万円なので、約12年間で4.20倍に増加したことになります。同様に当期純利益は3.93倍に増加しています。

なお増資による希薄化があるため、業績に比例して分配金が増加する訳ではないことに注意が必要です。

2010年前後はJ-REITには厳しい時期でしたが、当投資法人の場合は業績に落ち込みが見られません。

ROE・ROA

ROE:投資主が出資した自己資本を用いてどれだけ利益を出せたかを測る指標です。自己資本当期純利益率とも呼ばれ、以下の計算式で算出されます。

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

ROA:資産総額に対してどれだけ利益を出せたかを測る指標です。総資産経常利益率とも呼ばれ、以下の計算式で算出されます。

ROA = 経常利益 ÷ 総資産 × 100

※ROAの分子は営業利益、経常利益、当期純利益など様々な値が用いられますが、J-REITの場合は経常利益を用いるのが一般的なようです。

当法人の第1期(2006年1月)~第25期(2018年1月)における、ROEおよびROAの推移です。

8967のROE/ROA推移

上記期間における、ROEの平均値は2.65%、ROAの平均値は1.85%です。

BPS(一口当たり純資産)

当法人の第1期(2006年1月)~第25期(2018年1月)における、投資口一口当たりの純資産額の推移です。

なお分配金推移と同様に、投資口の分割を考慮した値となっています。

8967のBPS推移

第1期の一口当たり純資産は109,515円、第25期は149,260円なので、約12年間で1.36倍に増加したことになります。

資産規模成長のため増資が行われてきたわけですが、BPSは僅かに上昇しています。投資主価値を損なう無理な増資が行われていない証左です。

特記事項

  • 2014年2月1日を効力発生日として、投資口1口につき5口の割合で分割

まとめ

日本初の物流施設特化型として2005年に上場し、運用期間は13年以上。この間に金融危機を経験している訳ですが、業績や分配金の落ち込みは見られず右肩上がりに増え続けています。

2010年前後はJ-REITの統廃合が進んだ時期でした。分配金の減少は珍しくなく、資金調達に行き詰まり破綻した銘柄もあったほど。このような状況を考慮すれば、当投資法人の分配金支払い実績は極めて優秀と断言できます。

また業績も順調に伸びており、特にROEが伸びているのは注目に値します。BPSも上昇しており、投資主価値を棄損する無理な増資が無かったのも評価すべきでしょう。上場来パフォーマンスが市場平均を大きく上回っているのも、本銘柄の優れた運用実績が高く評価されてのことと思います。

その反面、分配金利回りは市場平均とほぼ同じ水準です。高く評価されている銘柄だけに、割安な水準で買うのはなかなか難しいと思います。

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コメント

  1. 通りすがり より:

    去年、投資主価値を大きく毀損する増資をしたのはご存知でない?投資口価格も大幅に下落したのでかなり有名な増資でしたが。
    あと、REITをBPSで分析する投資家なんてほとんどいないと思いますよ。

    • nakayan50 より:

      コメントを頂きありがとうございます。昨年9月の増資ですが、一口当たり当期純利益や一口当たり分配金は増加しているので投資主価値を大きく毀損したようには見えませんが...長期的に悪影響がありますかね。今年7月に行った自己投資口の取得で株価も増資前の水準に戻しています。

  2. 通りすがり より:

    投資主価値をDPUだけで語っていいのでしょうか?そもそも投資主価値とはなんでしょうか?
    BPSやROEなどを持ち出しているのでおそらくREIT投資の経験が浅いのかもしれませんが、これらの指標はREITの分析において重要視されることはほとんどありません。
    本件に関しては一度、NAVやディスカウント増資という用語についてお調べになると今後より良いブログが書けると思いますよ。

    • nakayan50 より:

      ご指摘ありがとうございます。今後の記事づくりに参考とさせていただきます。