2040と理論値の乖離が大きい

期待通りに動かない?

2040の商品名は「Next Notes NYダウ・ダブル・ブル・ドルヘッジETN」。名前のとおりNYダウの2倍の動きとなるレバレッジ型ETNであり、ドルヘッジ=為替ヘッジ有りの商品です。

2040は米ドル建てNYダウの約2倍の動きに投資できる便利な商品ですが、日々の値動きが理論値(ダウ平均の2倍)に対して小さすぎると感じる時があります。

直近の例を挙げると...

例1

日付  銘柄  値段  前日比  前日比(%)  備考
2018/4/13 2040 21,100 +300 +1.44  終値
 〃  〃 21,050 +250 +1.20  始値
2018/4/12  DDM 127.57 +3.00 +2.41  終値
 〃  理論値 +2.42 DOW x 2
 〃  DOW 24,483.05 +293.60 +1.21  終値

注1:日米の時差を考慮して前日の米国市場と2040を比較している
注2:DDM(ProShares Ultra Dow30)はNYダウ平均の日々2倍の動きをするETF。
Expense Ratio(信託報酬)は0.95%。

例2

日付  銘柄  値段  前日比  前日比(%)  備考
2018/4/17 2040 21,350 +240 +1.14  始値
2018/4/16  DDM 128.51 +2.24 +1.77  終値
 〃  理論値 +1.74 DOW x 2
 〃  DOW 24,573.04 +212.90 +0.87  終値

という具合。

2040とほぼ同等品であるDDM(ProShares Ultra Dow30)はダウ平均の約2倍のパフォーマンスとなっていますが、2040は理論値から大きく乖離しています。

例1の場合、前日比2%以上の寄り付きが期待されるところですが、実際は僅か+1.20%で寄り付きました。変化率で言えば元指数のダウ平均とほぼ同じ水準にすぎません。

2040は為替ヘッジを行うため、ヘッジコスト分だけパフォーマンスが悪化するのは理解できますが、それでも乖離が大きいように感じます。

そこで2040とDDMのパフォーマンスを詳細比較してみることにします。

2040とDDMの比較

株価推移比較

1年間の株価推移を見るとDDMは理論値(DOW*2)とほぼ一致していますが、2040は乖離が大きいことが分かります。

2040 vs DDM 1年 20180417
5年の推移を見ると、2040とDDMの乖離は更に広がります... パフォーマンス差は実に60%。ここまで差が出ると、もはや別物です。

2040 vs DDM 直近5年

パフォーマンス差をまとめると以下のようになります。DDMは理論値に近いパフォーマンスとなりますが、2040は理論値(DOW*2)を大きく下回っています。1年あたりの差はおよそ9%というところでしょうか。

パフォーマンス比較

銘柄 1年(%) 5年(%)  備考
DOW +18.90 +66.52
DOWx2 +38.96 +156.62  理論値
DDM +40.54 +163.85
2040 +30.33 +105.53

理論値との乖離率

2040とDDMはどちらも、日々NYダウの2倍の動きを目指して運用されています。そこで両銘柄の日々の変化率と理論値の乖離率の推移を比較してみた。

直近1年間の乖離率の推移は以下のとおり。

2040理論値との乖離率推移

注1:日米市場の時差を考慮し、前日の理論値と2040を比較している。(例:4月11日の2040の変化率と、4月10日のダウ変化率の2倍を比較)

注2:日米の開場日が異なるため、どちらかが休場日となった日は除外した

DDMは理論値(DOW*2)とよく一致していますが、2040は理論値との乖離が大きくなりがち。特に今年に入ってから大きな乖離が出やすくなっているようです。

2月から株式相場の乱高下が続いていることも一因だと思われますが、1%以上の乖離がこれだけ頻繁に出ると短期売買には扱い辛いと言えます。

理論値との乖離率の平均と中央値は以下のとおり。DDMの平均値はほぼ0ですが、2040は御覧のとおりマイナス側にバイアスしています。これは為替ヘッジコストの影響が出たものと思われます。

銘柄  平均値(%)  中央値(%)
2040 -0.023102 -0.060156
DDM 0.004747 0.005526

一年間の開場日を220日と仮定すると、

-0.023% × 220日=5.06%

乖離を単純に積算しただけでも年間5%の差が出る計算です。

想像以上に理論値との乖離が大きい

以上のように2040と理論値(ダウ変化率 x 2倍)には大きな乖離が発生し易く、無視できないパフォーマンス差が生じていることが分かりました。

理論値との乖離が発生する原因として以下のような理由が考えられます。

1.日米市場の時差

日米の時差や休場日の違いがあるため、両市場の開場時間は一致しません。米国市場の取引時間外でも株価指数先物が動いているため、2040の取引価格に影響を与える可能性があります。

2.為替ヘッジコスト/為替の影響が完全に排除できていない

2040はドルヘッジ型の商品であるため、ヘッジコストがかかります。理論値よりパフォーマンスが低下するのは必至であり、日々の変化率がマイナス側にバイアスしているのはこれが原因と思われます。

また為替ヘッジが行われていますが、円高の影響を完全に排除できていない可能性もあります。

3. スプレッド

2040は比較的マイナーな商品であり、出来高少なめ。売りと買いのスプレッドが広がることがあるため、不利な値が付く場合があります。

短期売買前提でも厳しいか

2040とDDMを比較しましたが、想像以上にパフォーマンス差があることに驚かされました。DDMは理論値に近いパフォーマンスとなりますが、2040は理論値との乖離が大きすぎて、もはや別物と考えた方がよさそうです...

2040とDDMのパフォーマンス差は1年間で約10%。短期売買に限定してもこのパフォーマンス差は無視できないレベルです。NYダウの読みが当たっても、値幅が上手くとれない可能性もあるのでは?

問題なのは今後更にヘッジコストが嵩むと予想されること。現在アメリカの政策金利は1.75%、年内にあと3回の利上げが予想されており、今後も日米金利差が拡大していく可能性は高いはずです。

くりっく株365の外国株価指数取引も、金利差拡大に耐え切れず金利算出基準を日本円ベースから現地通貨ベースに切替えました。2040も含めて、為替ヘッジ有りのファンドはこれからヘッジコスト増に苦しむことになるだろうと思われます。

スポンサーリンク
広告(大)
広告(大)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
広告(大)

コメント