VIX関連商品に関し、クレディ・スイスに対して訴訟が起こされた

XIVに関する訴訟

ロイターによると、ある投資家がVIX関連商品についての虚偽記載により損害を受けたとして、クレディ・スイスに対する訴えを起こした模様です。

VelocityShares Daily Inverse VIX Short-Term(XIX)は一時、時価総額16億ドルに達したものの、先月のVIXショックで1日にして約90%下落。早期償還条件を満たしたため上場廃止となりました。

連邦地方裁判所に提出された訴状によると、「クレディ・スイスは損失を避けるために様々な金融商品を清算することによりETNを操作した」とのこと。また「同製品の投資家に対する声明は不完全である」としています。

これに対しクレディ・スイスは

公開されている目論見書は、XIVへの投資リスクを正確に、かつ完全に開示している」「クレディ・スイスはXIVの価値に関して投資家を誤解させるような行動や、XIV価格下落の原因となるような行動はとっていない

と述べています。

6年前にも、クレディ・スイスに対する訴訟があった

TVIX

2012年初めにも、クレディ・スイスに対してボラティリティETNに関する集団訴訟が起きています。

この時に問題となったのは VelocityShares Daily 2x VIX Short Term ETN(TVIX

この製品はS&P500 VIX Short Term Futures Index を連動対象とするETNで、レバレッジは2倍。XIV/2049とは逆に、株式相場が堅調ならどんどん減価していくタイプです。

同等品として、レバレッジ変更前のUVXYがあります。※現在のUVXYはレバレッジが1.5倍に変更されたため別物です。

訴訟までの経緯

2012年2月、クレディ・スイスは「内部制限」を理由として一時的にTVIX ETNの新規発行を停止します。

この停止措置の影響でTVIXは連動指数(=S&P VIX Short-term Futures index)との連動性が崩れ、約1ヵ月に渡り異常に大きな乖離が生じました。

そして新規発行が再開するとTVIXの価格は急落。投資家が多大な損失を被ったとして集団訴訟が起きました。

TVIXとUVXYの株価を比較してみると、確かに大きな乖離が開いていますね。2月初旬まで両者はほぼ一致しているものの、2月末以降に大きな乖離が生じています。

2012年のTVIXとUVXYの推移  ※1月3日を100として指数化
TVIXとUVXYの比較 2012年

訴訟の結果は

2014年、連邦裁判所は「合理的な投資家がリスクを理解することなく本製品の開示を読むことは出来なかった(目論見書を読んだらリスクを理解できているはずだ)」とし、クレディ側に有利な判決を下しています。

投資家の立場としては強い違和感を感じますね。

戦争や取引所閉鎖という異常事態ならともかく、市場が通常に開いている状態で、これだけの乖離を想定した投資家がいるとは思えません。

VIXロングポジション相当で2倍のレバレッジなので、コンタンゴによる減価は強烈。1ヵ月も指数連動が外れれば大きな乖離が出るのは当然でしょう。

一時的とは言え、連動指数と数十%もの乖離が生じたこと(そして許容されてしまったこと)は大問題です。

法律上は問題無いとしても、製品や運用会社の信頼を大きく損ねたと思います。

今回のXIV訴訟でもクレディ側有利か

XIVに関しては、VelocityShares社のサイトにて目論見書を読むことが可能でした。早期償還やリスクについても説明されていたため、今回の訴訟でもクレディ側が有利だろうと思います。(説明が分かりやすいか、という点では疑問が残りますが)

TVIXの訴訟に関しては今回初めて知りました。TVIXとUVXYを比較しなければ、これだけの乖離が生じていたことに気が付かなかったと思います。

一時的とは言え、連動指数と数十%の乖離が生じ、それが許容されてしまったのはショックですね。これでは運用側の都合で何でも有りになりかねません。つい先日もProShares社がSVXYとUVXYのレバレッジ変更を強行して物議を醸し出しました。

改めて、投資家の立場は非常に弱いと痛感した次第です...

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