海外債券インデックスの現地通貨換算

海外債券インデックスの実パフォーマンスを知りたい

先進国債券のベンチマークとしてシティ世界国債インデックス(除く日本・円ベース:以下WGBIと略す)が一般的に用いられます。

円換算した指数は為替変動の影響で極端な値動きになるため「債券そのもの」のパフォーマンスを把握しづらいです。

シティグループでは「シティ世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円ベース)」や「現地通貨ベース」も算出していますが、長期データを入手できませんでした。

そこで実際に運用されているファンドから現地通貨ベースの近似値を算出してみたいと思います。

方法1 為替ヘッジ無しのインデックスファンドを換算する

長期運用されている債券インデックスファンドの基準価額を現地通貨ベースに換算してみます。

現時点でWGBI(除く日本、円ベース)の通貨比率は

  • 米ドル 42.9%
  • ユーロ 41.2%
  • イギリスポンド 6.9%

となっているので、米ドル換算とユーロ換算を1:1で加算し平均を取って見ました。
通貨の構成比率が時期によって変わる可能性があること、ポンドなど他の通貨を除外しているため精度は高くないことにご注意ください。

対象としたファンド

  • コード 64312012
  • 三井住友TAM 外国債券インデックスファンド
  • シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)に連動
  • 信託報酬0.756%
  • 設定日 2001年2月22日

グラフは2001年2月の各値を100として指数化しています。
WGBI連動投信の推移

米ドル換算とユーロ換算の平均値(チャートのドル・ユーロ合成)はそれらしい動きになりました。

やはり為替の影響は非常に大きいですね。円ベースは現地通貨ベースに対しリスクが高くなっています。

方法2 為替ヘッジ有りのファンドを参照する

数は少ないですがWGBI(除く日本、円ヘッジベース)に連動する投資信託がいくつか存在します。長期運用されている投資信託なら参考にできると思われます。

問題なのはヘッジコストです。円と外貨の金利差が大きい時期はヘッジコストが嵩むためファンドのパフォーマンスが下がってしまいます。従って現地通貨ベースより低いリターンとなるはずです。

調査対象としたファンド

運用期間は申し分ありませんが、現在のインデックスファンドに比べ高コストです。

  • コード 0231F01A
  • 日興 インデックスファンド海外債券(ヘッジあり)1年決算型
  • シティグループ世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円ベース)に連動
  • 信託報酬 0.7236%
  • 設定日 2001年10月17日
  • 設定来分配金 120円 ※少額のため今回は考慮せず

ヘッジ有りとヘッジ無しの比較

前述のヘッジ無しタイプとヘッジ有りのタイプを比較してみます。
グラフにプロットしているのは

  • ヘッジあり: 0231F01A 日興 インデックスファンド海外債券(ヘッジあり)1年決算型
  • ヘッジなし:64312012 三井住友TAM外国債券インデックスファンド
  • ヘッジなし合成 :64312012の米ドル換算とユーロ換算の平均

です。

注意:0231F01Fは120円ほど分配金が出ていますが少額のため無視しています

ヘッジありと無しの比較

約16年間の運用で大きな差がついています。ヘッジ有りは2009年までのパフォーマンスが低いですね。

参考として政策金利の推移を掲載します。2009年までは円と外貨の金利差が大きくヘッジコストが重いことがわかります。

各国の政策金利の推移

為替リスクが緩和できるのは非常にいいのですが、金利が上昇するとトータルパフォーマンスが大幅に低下するのが難点です。

まとめ

今回の検証から

  1. 簡易的な算出ではあるが、現地通貨ベースに近いインデックスは算出できたように思われる。
  2. 米ドル・ユーロ合成換算した値を買いの目安にできるかもしれない。例えば、この値より低ければ投入金額を増やすなど重みづけができそう。
  3. 「ヘッジ有り」は確かに為替リスク低減効果はあるが、金利差が開いた時のパフォーマンス低下が無視できない。

となります。

海外債券への投資は為替に強く影響されることが浮き彫りになりました。現地通貨ベースで上昇しても、為替リスクで損失に転じる可能性は十分にあります。如何にして為替リスクを避けるかが課題です。

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